ぼんやり天童のことを考えていたこうなりました。
以下ちょっといかがわしいので閲覧注意。
一流大学に受かるまでは、ちゅー以上のことはしません。
――なんて。
どうして俺はそんな約束をしたのかと小一時間ほど問い詰めたい。否、理由はわかっているのだ。結果として、本来ならば一緒に受験するはずだったあの日に彼女との約束を破る形となってしまった。だから、今度こそ同じ一流大学に受かり、大学生カップルになるという約束を果たすという誓いのために出した、言わば自身に対する戒めのようなものだ。
が、しかし。
(……あー)
天童は内心で呻いて、ため息を吐く。
今いる場所は卒業式に晴れて恋人となった小波美奈子の実家の、彼女の部屋だ。そして行われていることといえば、当然天童の受験勉強なわけで。
好きな女の部屋で二人きり。しかもあつらえたように彼女の両親が不在であるにも関わらず、健全なお付き合いよろしくテーブルの上に広げられた教科書とノートという現実が少しだけ辛い。訂正。少しではなく、相当辛い。
十九歳にもなる健全な男子たるもの、カノジョと二人きりになったら邪まな考えの一つや二つや三つや四つくらい考えるというもの。
「…なあ」
「うん?」
我慢できず、天童は美奈子に声を掛けた。相手は素直に視線を上げて天童を見やる。その疑いようもない目にちり、と良心が痛むものの、このまま悶々とした気持ちを持て余して葛藤している方が拷問だと、天童は自分自身に言い聞かせる。
「ちょっとさ、顔、こっち」
「え? なに?」
「キスしてえ」
遠まわしな言い方が通じない彼女に、ずばり天童は要求を告げる。と、相手は一拍の間を置いてから頬を赤くしてたじろぐも、天童は素早くその腕を掴んで引き寄せた。うわ、と短い悲鳴を無視して抱き寄せれば、薄く開いた彼女の唇に自分の唇を重ねる。
「ん…っ」
美奈子は未だにキスをするときに身体を強張らせてしまう。天童はその緊張を解くように最初は唇同士をくっつけるようにしたあと、彼女の下唇を優しく食む。少しずつ少しずつ美奈子の強張りを溶かしてやってから、一度唇を離しては至近距離で目を合わせる。このとき、大概美奈子はちょっとだけ怒ったような顔をするが、それが照れ隠しによるものだと最近わかってきた。
「…もう、まだ休憩じゃないよ?」
「ん、でもしたくなったから」
「そんなんじゃキリがなくなっちゃうじゃない」
「そうだけど…おまえはしたくなかった?」
「……そんなことはないけど」
ふいっと美奈子は視線を逸らす。拗ねたようにちょっとだけ突き出された唇にちゅっと口付けて、天童は再びキスを再開させる。今度は舌を差込むような深い口付けを施すと、息苦しさからか、美奈子の声が互いの唇の隙間から零れる。
「…ぁ、っぅ」
ちいさく、堪えるような声を聞かされたところで、話が冒頭に戻るのである。
彼女の背後に鎮座ましますベッドが否が応にも視界に入り、さらに天童の理性を刺激してくるのはもはや致し方ないことではなかろうか。
このまま美奈子をベッドに押し倒して、もっともっとあられもない声を上げさせたい。まだ見たことのない彼女の素肌をさらして、美奈子自身ですらまだ知らない快楽を教えてやりたい。
(やばい…)
自分が自覚している以上に切羽詰っている感情に気がついて、天童は唇を離した。これ以上はまずい。気持ちとしてもだが、それ以上に下半身的な意味で。
だが、美奈子は唐突に離れていった天童を不思議そうに見返すと、あろうことか自分から彼の唇を追いかけてきた。彼女からキスをされるのはうれしいが、どうしてこのタイミングなのかと天童は一人、歯噛みする。
「美奈子、ちょっとタンマ」
「ん…?」
美奈子の肩を掴んで、不自然にならないような力加減で距離を取る。と、キスの余韻で少しだけ息を乱した彼女をバッチリ視界に納めてしまい、天童は泣きたくなった。
「あー…、俺から仕掛けておいてなんだけど、ちょっとこれ以上はまずいっていうか」
「なに?」
「…我慢できなくなるんだよ」
言って、天童は自分を落ち着かせるように重い息を吐き出す。そんな彼の様子でようやく事態が飲み込めたのか、美奈子の困ったような気配が伝わる。
「悪い」と。この空気を打破すべく、天童が口を開きかけようとするより早く、美奈子の方が一歩早かった。あの、と控えめのようで少しだけ強い口調でもって、美奈子は言う。
「……その、胸、とか」
「?」
「だから、……胸、触るくらい、までなら…いいよ?」
「…………」
「…………ごめんうそやっぱりそういうことは!」
「まったまった取り消しなし! 触る! むしろ触る!!」
「えええええええ」
「えーって自分で提案したんじゃねえか」
「そうだけど!」
「大丈夫、約束は守る。胸まで。な?」
「……う、うん」
「じゃあ後ろ向いて。そしたら顔見えないし、ちっとは恥ずかしくないだろ?」
出会ってから一番真っ赤に染まった顔を隠すように俯く美奈子を気遣うように言ってみれば、彼女は微かに頷いて天童に背中を見せた。天道はごくりと一度ツバを飲み込んでから、美奈子の腰に手を回して引き寄せる。こうして彼女を後ろから抱きしめたことはあったが、先ほどもいったようにキス以上の行為はまだ未開拓の地だ。それは当然美奈子自身も同じで、キスのときなど比にならないくらいガッチガチに固まった身体がそれを物語っている。
「…触るぜ?」
「は、い」
上擦った声での了承を得て、天童を彼女の胸の膨らみに触れる。
(…うわ)
服と下着というブロックがあるとしても、その柔らかさは十分伝わった。ついでにサイズも。
天童自身は女性の胸を触ることはこれが初めてではないが、さすが好きな相手の身体は感動が違う、と改めて痛感していた。
ふにゅ、と指を埋め込むように少しだけ力を入れて揉んでみる。ぴく、と美奈子の肩が揺れて、彼女の様子を伺いながら手を動かしていく。最初はゆっくりゆっくり動かして、谷間を作るように乳房をぎゅっと寄せてみる。時折鼻に掛かるような声が零れたりして、徐々に天童の手の動きが早くなるたびにその声は明確な音でもって吐き出される。
「あ、んっ」
「かーわいー」
「天童く、あ、はやいよ…っ」
「でも痛くねえだろ?」
「…痛くな、けど、あんっ」
もにゅもにゅもにゅもにゅとただ揉む中で、つと。天童は彼女の胸の頂きを摘んでみた。布越しでも十分勃っているのはわかる。
「あ、そこ、や!」
「……胸だろ、ここも。胸までは触っていいっつったのは美奈子だからな」
「そ、だけど…ん、ふっ!」
「胸だけ、だから」
まるで自分に言い聞かせるように呟いて、天童は美奈子の胸を揉むのに夢中になっていく。時折、ちゅうと彼女の首筋に吸い付いてやれば、びくりと身体を震わせて背を仰け反らせた。喘ぐ声は断続的になっていき、口は開きっぱなしだ。
そうして、天童はほぼ無意識の内に彼女のキャミソールの内側に手を滑らせた。熱く火照った美奈子の素肌を直に感じれば、天童の興奮がまた一段階上がる。そのまま手を腕を持ち上げれば、当然キャミソールはめくれ上がって控えめなレースと刺繍が施された淡いピンク色のブラジャーが現る。天童はそのまま強引にブラのカップの内側に手を差し込めば、明らかに布越しとは違う美奈子の胸の弾力さを目の当たりにしてますますヒートアップしてゆく。
「あ、や、天童くん! 胸ぇ!」
「胸まで、だろ? 約束破ってないだろ?」
「でも、でもぉっ」
ぶんぶんと頭を振る美奈子の首筋を舐め、天童は彼女の言葉を聞こえないふりをした。
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そしてここでタイムアップでござる。
「こら!」と主人公に一括されるかこのままの流れで最後まで致してしまうかが悩みどころのまままる投げでござる。
[3回]
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