ディノヒバのようなもの。
***
鬱陶しい。
彼自身も、彼に振り回されるこの感情の何もかもが鬱陶しい。
「ねえ」
雲雀は押し倒したディーノの首に手を添えて、口を開く。この手に力をこめて締め上げたい。ないものにしたい。この男がいなくなればきっと、こんなにもわけのわからない鬱陶しい感情に振り回させることもなくなるのではないかと思うのだ。
「殺していい?」
「すきにしろよ」
「へえ」
口角を上げて雲雀が笑えば、ぐっ、と親指に力を込められる。
「じゃあ、殺そうかな」
「ただし」
ディーノの腕が伸びて、やさしい手つきで雲雀の頬に触れる。そのまま手を滑らせて、自分と同じように彼の首に手を掛けた。
「おまえも一緒に連れてくけどな」
言って、笑う男の顔が本当に憎たらしい。
この男はどこまで僕を振り回せば気が済むのだろうか。
未だ微笑むように笑う男の顔を見返して、雲雀は首を締める代わりに男の唇を塞いでやった。
***
ディノヒバってすきなのに難しい!
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