今週のジャンプで大層MOEて、公式雲雀綱!ともんどうってごろごろしてたくせににょっきりと出てきたネタが骸綱っていう、ね!
なんかもう、ツナと雲雀と正チャンだけっていうフレーズで、骸はそれとなく感づいてんじゃないの?そして話してくれないことにヤキモチ妬いたりしてんじゃないの?とか考えたら妄想がノンストップ。これだからヲタクは。
そんなわけでなんとなく骸ツナっぽいような感じです。
最近どのカップリングでもがっつりくっついてるのより、限りなく「&」に近い関係にMOEる。幻水5のカイ王はくっついてなんぼだと思ってるけど。
------------------------
「ボンゴレ、僕に何か隠し事をしてませんか?」
と。
唐突に現れて人の仕事部屋にあるソファーに座り、我が物顔で寛いでいた六道骸という男は何の前ふりもなしにそんなことを言ってきた。
その言葉に俺はぎくりと身を固めるものの、それを一瞬でやり過ごして何食わぬ態度を保つ。俺も成長したなあなんてぼんやりと思いながら慣れたイタリア語の書類を読み上げ、サインを走らせる作業を続けたまま、口を開く。
「何かって、なに?」
「質問を質問で返さないように」
骸はソファーから立ち上がると、とん、と軽くデスクに手を置く。それでも俺は書類から視線を外さずにいれば、その書類が手元から抜き取られて宙を舞う。あ、と間の抜けた声を上げ、ついでに顔も上げてしまった俺を嘲笑うかのように骸が口角を上げて笑みを張り付かせていた。
宙を舞う書類は当然重力に従って落下し、バサバサと音を起てながらそこここに散らばった。あーあ、なんて声を上げれば、骸は右手で俺の左手首を、右手で顎を掴んできた。
「骸が拾えよな、書類」
「君が僕を欺こうだなんて、出来ると思わない方がいい」
人の話なんてこれっぽちも聞く耳を持たず、骸は一方的に言葉を告げる。そうして、目の前にあるオッドアイの目が細められれば、本当に何もかもお見通しなのではないかと不安になった。駄目だ。いくら見通されていたとしても、自分の口から今回の計画を話すわけにはいかない。いつ。どこで。誰が聞いているのかわからないのだから。水面下で進めているこの計画は、これから先の未来の為に必要なこと。それを成功させる為にも、雲雀さんと正一くん以外に話すわけにはいかない。そうしてその後はすべて、過去の自分たちに掛かっている。だから、試されるかのようにふるいにかけられても、俺は知らぬ存ぜぬを貫き通さなければ。
「別に、騙し合いでおまえに勝とうなんて思わないよ」
「ほう、さすがはボンゴレ十代目と言ったところですか。随分頭が回るようになりましたね」
ぐっと、顎を掴む手に力が入る。痛い。
でも視線を逸らさずにいれば、骸は手と顎を解放してくれた。目と口元は相変わらず食えないような笑みをたたえ、俺は軽く捕まれていた箇所をさする。と、急に骸はくるりと背を向けて、部屋の出入り口である扉に向かっていく。
「君が話さないというのなら、僕は勝手にさせてもらいます」
「おまえの勝手なんか今に始まったことじゃないだろ」
「それはそうですけど」
と、骸はあっさりと俺の言葉を肯定する。コノヤロウ、と思わず出かかった言葉を寸で飲み込み、ため息で誤魔化す。骸はドアノブに手を掛け、振り返った。
「ただ、君がいなくなるようなことになるのは、許しませんからね」
「は?」
「僕の楽しみが減るのは困ります」
「ッ、おまえなあ!」
「ではボンゴレ、また」
ガタン! と椅子を蹴って勢いで立ち上がる。けれど、骸はそれにはお構いなしに早々に逃げを打った。ぱたん、と重厚な見かけより軽い音を起ててしまった扉を睨み、俺は再び椅子に座り直した。上等な椅子が俺の身体を受け止め、軽く沈む。そのままデスクにへばりつくように項垂れて、再びため息。
「書類、結局片付けるの俺かよ」
胸に渦巻く感情を悪態で誤魔化して、俺はぽつりと呟く。
「また」だなんて一方的な約束を投げてきた骸に、ずきりと心臓が痛んだ。
確実に来る「明日」があるとは、限らない。それは誰より一番あいつの方がわかっているだろうに、わざわざ言ってくるのは骸なりの嫌みだろうか。
どこまでも食えない男だ、と俺は苦笑する。
「本当、騙し合いであいつに勝とうだなんて思わないよ」
そう独りごちて、俺は肩を竦めるしかなかった。
結局のところ、守りたいもののリストにしっかりと六道骸の名前も載ってしまっているのだから。
だからこそ、あいつにバレる前にすべての算段を終わらせなくてはいけない。
骸に気づかれた時にはどうか、すべて無事に終わって欲しい。
その時に例え俺がいなくて、勝手なエゴだと骸に笑われても構わないから。
[0回]