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イチジ九

すべからくどうしようもない日常のあれこれ。 ネタバレ盛り沢山ですので注意!

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ゼルリナ小ネタ

データを整理してたらゼルリナが出てきた・・・!
そういえばついったーでちらっと書いた気がする・・・ので、ぺたり!
ゼルリナとかマイナーにもほどがあります。それよりもスレイヤーズを知ってる人がどれほどいるのか。
私が文章を書くようになって影響を受けたのが完全に神坂一と秋田禎信であった。


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 小柄な後ろ姿を見つけて、ゼルガディスは思わず足を止めた。あまり人通りの少ない方へ少ない方へと道を選んでいるために、こんな路地裏をわざわざ選んで歩いている女は稀だ。どうしてもこの道を使わなければいけない用事でもあれば別だが、それだって自分が女であることは隠そうとするだろう。表は活気に溢れている街中でも、一本通りを外しただけで一気に危険度は跳ね上がる。そんなこと、子供だって知っている。それをわざわざ「狙ってください」とでもいうように、軽い足取りで歩いていく人物をゼルガディスは一人だけ心当たりがあった。
「リナ」
 追いかけて、その背中に向かって声を掛ける。振り向いた相手はこちらの姿を確認して、止まる。あ、と口を開き、けれど次の瞬間にはこちらに駆け寄ってきた。
「ゼル! 久しぶり!」
「そうだな。というか、おまえはこんなところで何してるんだ」
「や、やだなあ! 別にストレス発散とかそんなこと!」
「しようとしてたんだな。ガウリイはどうした」
「……宿で寝てるけど」
「…ったく。猛獣を外に放つ保護者がどこにいるんだ」
「誰が猛獣か!」
「おまえだ」
 きっぱりと言い放ってやると、リナはぐっと言葉に詰まった。「盗賊狩り趣味」とのたまうくらいなので、存分に引っ掛かる部分はあるのだろう。そういえばここら辺の盗賊団が壊滅したと、風のうわさで聞いた時点でぴんとくるべきだったのだ。わざわざそんなことをする善意の人間など、そうそういるわけがない。目の前のこの女以外は。とはいっても、リナの場合も善意ではない。盗賊団を壊滅させてストレスをすっきりさせたあとは、ため込んでいるお宝もがっぽり儲けている。
「ゼルこそ、こんなところで何してんの?」
「オレは写本の噂を聞いて来たんだ」
「あれ、ひょっとしてこの街のお宝の噂ってそれ?」
「なんだ、別口でおまえも釣られたのか」
「そーみたいね。うーん、これは今回外れかしら」
 肩を竦めて、リナはため息を吐く。長い栗色の髪をかき上げる仕草に、そういえばコイツの容姿は黙っていれば整っているんだなと、今さらのように気がついた。
 日頃ガウリイと取っ組み合いのケンカから、競うように2、30人前の料理をぺろりと平らげたり、およそ慈悲という言葉とは縁遠い攻撃呪文を盛大にぶっ放す姿しか見ていないので見落としていた。が、いつものリナの姿を想像して、ゼルガディスも思わずため息を吐いた。何だか頭も痛くなってきたような気がして、眉間を押さえる。
「何? 具合でも悪い?」
「なんでもない。気にするな」
「変なゼル」
 納得いかないように唇を尖らせて、リナ。そういう仕草をしているときは年相応に見えるものの、彼女の悪魔の顔を知ってるだけに、ゼルガディスは内心で再びため息を吐いたのだった。

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