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イチジ九

すべからくどうしようもない日常のあれこれ。 ネタバレ盛り沢山ですので注意!

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ジノスザもどき。

以下、なんとなくジノスザです。


----------------


 最近のジノ・ヴァインベルグには気に掛かることがあった。
 それは同じナイト・オブ・ラウンズで、ナンバー7の枢木スザクのことだ。彼は自分とは違って生粋のブリタニア人ではない。イレブンで、つまりはニッポン人、というやつだ。
 スザクは名誉ブリタニア人ではあるけれど、いつも故郷であるニッポンのことを誇らしく思っていたのを知っている。もちろん、表だってそんなことは言えるはずもないのだが。
 けれど、ジノはそんな真っ直ぐなスザクが気に入っていた。貴族だ公爵だと、いつでも誰かの足下を掬うのに虎視眈々と目を光らせる輩の中では、スザクは紛れもなく異端だ。しかもイレブンということで、更に奇異な目で見られている。それでも自身の信念に向かって突き進むスザクはジノにとってどこか羨ましい存在でもあった。

 しかし。

「スザク」
「やあ、ジノ」

 見慣れた後ろ姿を呼び止めれば、振り返ったスザクの表情に知らず、息を飲む。
 いつからだろう。彼の目の色が変わり始めていると思ったのは。
 きれいなはずの深緑の瞳が、どこか遠くを捉えている気がするのは気のせいだろうか。

「…いや、アーニャを見なかったか?」
「アーニャ? いいや、こっちには来ていないけれど」
「そっか、悪いな」
「見かけたら声を掛けておくよ」
「ああ、頼む」

 スザク相手にこんな、裏を探るような態度はしたくなかった。けれど、やはり今の彼は出会った当時とは確実に変わってきているのがわかる。その変化はやはり、ユーフェミアが亡くなられた時からだと気がついて、ジノは胸中でため息を吐いた。
 ジノは「じゃあな」と軽くスザクに手を振り、背を向けた。自分のブーツと、遠くなるスザクの足音が奇妙に重なる。そうして、相手の足音が聞こえなくなったところで、ジノは足を止めた。

(頼むから)

 苛立たしげに前髪をかき上げて、ジノは胸中で独りごちる。

(頼むから、おまえは墜ちてないでくれよ。スザク)

 まるで縋るような思いで。
 ジノはひたすらに、願う。




 ――――おまえをこの手で、殺したくはないんだ。 




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ギアスって、どうにも雰囲気は暗くなると思う…内容が結構あれなだけにね!orz
えむこにOPのジノを指摘されたら居ても立っていられなくなって、こんな感じです。
ジノの絶対忠誠がブリタニアに掛かってるとは思わないんですがねー、どうなんだあああああああああ。
いついかなる時にギアスは裏切る人がでるかわからないのが怖い。

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