明日はヘタリア映画を見に行くのでみかさの家にお泊りです。
さて何時に寝られるかな!(……)
というわけで、みかさと合流待ちです。
そして今朝から急に初恋組熱が上がって収まらないので小ネタを書いてみた、ら、私の中でのイタちゃんってだいぶ病んでることに気がついた。
あああああ違うんだ!本当はもっと幸せな感じにしたかったのになぜ!orz
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ふと、考えることがある。
もし「あの子」が今もなお存在していたら、どんな姿になっていたのだろうかと。そうして俺の隣にいてくれただろうかと、考えてしまうんだ。
いつもの難しそうな表情のまま、それと同じくらい難しそうな内容の本を読んでいるドイツの横顔をちらりと伺い、そこにかつての「あの子」――神聖ローマの姿を無意識に重ねてしまったイタリアは、罪悪感に目を逸らした。
わかっているんだ。そんなことを考えたところでどうしようもないと、わかっている。
それでもこうして、時折思い出したかのように神聖ローマとドイツを重ねてしまうのは最後に別れた光景が忘れられないからだと自身に言い聞かせる。
ずっとずっと昔、今よりもうんと背も低くて、声も女の子ような子供時代。オーストリアやハンガリーに囲まれて、そうして神聖ローマも一緒だったあの時代。当時はいじめられてばかりだと思っていたけれど、振り返ってみれば神聖ローマのあれらはすべて、愛情の裏返しだということに気がついた。好きな子ほどいじめてしまいたくなるという、子供特有の歪んだ愛情表現。
きっと今ならば、彼の不器用な愛情に応えることができただろう。
逃げて泣いてばかりではなく、もっと沢山笑いあうことができる。なんて。
叶うはずもない願望ばかりを想像して、行き先のない想いをドイツに押し付けている自分はなんてエゴの塊だろうか。そうして胸中でのみ嘆息を零したイタリアは、自作のクッキーに手を伸ばす。さくり。軽い食感を堪能し、数回租借すると甘い香りと味が口の中に広がる。と。
ちらり。ドイツがこちらを見た。
彼の視線にえへへとイタリアが笑みを見せれば、返事の変わりみたいにドイツもクッキーをひとつ、口に運ぶ。さくり。イタリアと同じく軽い音を立てて食べる様子を見て、ねえねえドイツおいしい? と訪けば、ああ、となんとも彼らしい簡潔な返事のあとに視線は再び本に落とされる。細められた目の隙間から覗く青色が、あの子とそっくりだなあと性懲りもなく思う。
わかってるんだ。おまえはあの子じゃないし、あの子もおまえなんかじゃあない。
それでもどうしたってドイツには神聖ローマの面影がちらついてしまうから、時折どうしようもなく泣きたくなってしまう気持ちをぐっと飲み込む。ごまかすためにドイツドイツと騒いで笑って怒られて、それを理由にこっそりと泣くのだ。……こうして改めて考えると、自分は本当にひどい男だと痛感する。
ごめんよ、ドイツ。おまえをおまえとして見てないわけじゃないんだ。ただ、俺の中でどうしたってあの子は消えてくれないから、だからこうしてあの日に交わした約束を実現させるみたいに沢山の菓子を作って押しかけてきたりしてしまう。けれどもやっぱりそれらはただの自己満足でしかないから、「おかえり」というべき相手は不在のままで。
そんなエゴだらけな俺の作ったお菓子たちを、文句を言ったりしつつも食べてくれるおまえは本当に優しいね。
だからこそ俺は、おまえの優しさに甘え続けてしまうのだけど。
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