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イチジ九

すべからくどうしようもない日常のあれこれ。 ネタバレ盛り沢山ですので注意!

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年上バンビ小話

バンビ視点でこれの続きです。そしていかがわしいので畳みます。

私は朝からナニを書いているのかと小一時間。
いやしかし今日出勤すれば仕事納めなのでERO納め的なね!(……)

来年は清く生きようかと思わないでもない。



 痛みが全身に広がるような錯覚を覚える。背中に当たる固い壁の感触も、秘所を貫ぬかれている痛みも同じように思えた。がくがくと揺さぶられる視界の中、頭の中にはずっと「なんで」と「どうして」ばかりが浮かんでは消えていく。言葉を発するためにある口は正しく機能せず、ただ、音を零すのみだ。
 すぐ近くにあるはずの幼馴染の少年の顔が歪んでみる。それは自分が泣いているせいだとわかっているが、どこかで今の現状が夢であってほしいという願望も含まれていた。しかし、下半身を襲う痛みは自分の置かれている状況をまざまざと突きつけてくるのもまた現実で。美奈子は縋るように彼の――琉夏の服を掴んで陸上げされた魚のような仕草でパクパクと口を閉開させた。酸素を取り込もうとしては声を上げて、途切れ途切れに彼の名前を呼ぶ。

「る、ルカ…ちゃ、あん!」
「美奈子」
「もう、いやあ!」
「だめ、まだ俺イッてない」

 ぶんぶんと首を振るも、彼は責める腰を止めてはくれない。ぐちゅぐちゃと聞こえる結合部の音が路上に響く。辺りはすっかり暗くなってしまって、どうしてか誰も通らない。否、誰かが通りかかったとしてもこんな姿を見られたくなかいのだから、結局は同じことだ。
 お互いの荒い呼吸が耳につき、美奈子の目じりから何度目かの涙が零れる。その筋を辿るように琉夏が頬を舐めた。そして美奈子の唇にキスをして、口咥内へと舌が差し込まれる。注ぎ込まれる唾液を拒むことなどできなくて、されるがままに飲み込んだ。
 どうしてと、何度目になるかわからない呟きを胸中で問う。
 さっきまではいつもの幼馴染だった。きょうだいのいない自分にとって、一つ年下の琉夏を弟のように接してきた。琥一に弟だと紹介されたときは、身長も低くてかわいらしい容姿は女の子のようで。実際に美奈子と二人で出かけたときなど、仲の良い姉妹ねといわれたこともある。
 だからこそ子供ながらに感じていた琉夏と琥一の家庭の事情も相まって、美奈子は琉夏を守るべく弟と思っていたのだ。
 しかし当然ながら琉夏は男で、美奈子は女だ。
 小学生くらいまでは同じくらいの身長は、琉夏が中学に入ったと同時にあっという間に抜かされてしまった。どんどん幼馴染から「異性」に成長することに不安を覚えながらも、それに比例して彼の素行は悪くなり、ケンカの絶えない日々にやっぱり手のかかる弟だと心のどころかで安心していた。ケンカをすることは決して褒められたことではないけれど、琉夏が「幼馴染の弟」でいてくれることが嬉しかった。
 ――はずなのに、どうして。
 美奈子は揺れて歪む視界の中にいる琉夏を見つめる。きゅっと眉間にシワを寄せ、耐えるような仕草の表情は美奈子の知らない表情だ。いつだって笑顔で、独特の雰囲気にシュールな冗談を交えながら絡んでくる幼馴染の顔は、どこにも見られない。貫かれている箇所がじくじくと痛む。しかし痛いのとは別に感じる初めての感覚がせり上がってきているのもまた事実で。しかし津波のように襲いくるそれを受け止めるのは、こわい。目の前の知らない男の子のような琉夏のすべてを受け止めるようで、美奈子にはこわくて仕方ない。

「こわ、こわい…ッ、ルカ、こわい!」
「こわくない」
「もうやめて! こわい!」
「美奈子」

 ふいに、琉夏が強く抱きしめてきた。腰の動きを止めて、こちらの身体すべてを包み込むように抱き締める。相手の荒い呼吸が耳にかかり、くっついた身体から互いの鼓動が伝わるのが妙に安心してしまう。

「全部俺だから、こわくない」
「ルカちゃん…」
「わかってよ。弟じゃない俺を知って?」

 さっきまではまるで知らない人みたいだったくせに、覗きこまれた目の色はいつもの琉夏だった。平均的な日本人より明るい色の目の中に、戸惑った顔をした自分と目が合った。どきりと心臓が鳴って、その動きに美奈子は戸惑った。さっきまでのこわいという感情が引いているのがわかって、それもまた彼女を動揺させる原因の一つだ。

「好きだ」

 まっすぐにこちらを見据えた琉夏が、言う。そうして彼は美奈子の唇に口付けた。さっきまでの荒々しいキスではなく、おとぎ話の王子様がするような優しいキスだ。舌を絡めることなくお互いの唇のみ触れ合わせたまま、琉夏はゆっくりと腰の動きを再開させる。
 繋がった部分はやっぱりまだ痛くて、しかし先ほどとは違う感覚が美奈子の中にあった。琉夏が動くたびに内部が疼いて、美奈子は目を瞑り琉夏の首筋に額を押し付ける。抜き差しされるごとに背筋が痺れるような錯覚を覚える。

「は、アん、んッ、んう!」
「…美奈子」
「ルカちゃ、ん! やだ、なんかッ」
「イきそ?」
「わか、わかんないっ!」

 琉夏の問いに、ぶんぶんと頭を振る。しかし背筋を這う痺れは徐々に強くなり、目の前の歪んだ景色に焦点が合わなくなっていく。次第に白んでいく視界と一緒に思考もう働かなくなり、美奈子は琉夏の名前を呼び続けた数秒後、体内で熱い熱が弾けた。それがどういうことなのか自覚する前に、彼女の意識は手放されてしまった。

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