先日の茶会で上がった話題から企画として立ち上がった「琉夏バン24時」に参加させていただくことになりまし た。
ざっくり内容を説明すると「24時間自宅のあらゆる場所で致している琉夏バンを愛でようの会」です。笑
R18の要素しかないのは仕様です。しかもメンバーがメンバーなので私がいていいのか甚だ謎で仕方ありませんが、私意外の琉夏バンを楽しみにしつつ企画用文章を書いてこようと思います。
機会があればコウバン24時もやってみたいと思いつつ、コウちゃんが理性的過ぎてできない件。くそう。
そして琉夏バンの話題をしておいて瑛デイジーの小話を投下してゆきます。
日曜日に仕事なの現実逃避なのは明白である。
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おはようと登校して、チャイムが鳴れば授業を受けて、ご飯を食べてまた午後の授業。そうして放課後になればまた明日と挨拶をして学校を出る。帰るのはいつもの通学路。3年間通った見慣れた道のはずなのに、足りない、と思わず思ってしまった。
足りないものが何なのか、それは明白だった。
おはようと声を掛けて少しだけ嫌な顔をされることも、お昼みに隙を見つけてはチョップをされることも、放課後になれば女子に囲まれて困っているところへ助け舟を出すことも、もう、ない。
だってそれらをする相手がいないのだから、当然だ。
文字通り彼はいなくて、そのたった一人の不在でどうしてこんなにもぽっかりと胸が空いたような気持ちになってしまうのかと考える。
出会ったばかりの頃は顰めツラばかり見せていたけど、最近になったら子供みたいに無邪気に笑ってくれることが多くなった。ケーキがうまく焼ければ試食させてくれて、その度に喜んで食べれば必ずオマケでついてくる嫌味。そのままカピバラみたいに膨れたら本当に見分けがつかなくなりそうだな、なんていう彼にもう! と言い返すお決まりのやり取りが懐かしい。けど、もうできはしない。
ねえ、どうして君はいないの。チョップだってやられっぱなしでまともに返ししたことなんてないのに。いつでもかかってこいっていったくせに、やり返す相手がいなくちゃ仕返しができないじゃない。
ねえ。
ねえ。
ねえ。
何度も何度も心の中で呼びかける。どうしていないの。なんでわたしの前からいなくなってしまったの。さみしいとかなしいがぐちゃぐちゃになって、どうしていいのかわからない、気がつけば珊瑚礁の前にまでやってきてしまっていて、けれどきっちりとカーテンが閉まった店のドアの前には「閉店しました」のプレートが下がっていた。閉店。その言葉にあの日のことが思い出される。絶えられないんだと言い残して去っていった彼。わたしだって耐えられないよ。君がいないのが、こんなにも辛いなんて思わなかった。憎まれ口ばかり叩いて怒られてばかりだったけど、いつしかそういったやり取りが楽しかったなんて、今更気がついた。
何もかもすべてが遅くて、後悔ばかりが渦を巻いてしまう。
せめてと思うのは、この気持ちを伝えられたらと思うこと。
できやしないとわかってはいても、願わずにはいられない。祈らずにはいられない。どうか。彼に逢わせてくださいと、広い海へ願う。あんなにも彼が大好きだった海ならば、神様よりずっと願いを聞き入れてくれそうじゃないかと考えるわたしは、自覚しているより随分自分勝手な人間だと痛感する。
夕日が反射してオレンジ色の海原が広がるのを見て、やっぱり最後にみた泣き出しそうな彼の顔を思い出した。
[4回]
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