「ひっく! ……くそッ」
「あれ、セイちゃん何してんの?」
「なんだ、しゃっくりかオイ?」
「(面倒なやつらに捕まった…)別になんでも、ぅっく、ない!」
「ちょっと待てってセイちゃん」
「そうだぜ、セイちゃん何回しゃっくりしたんだ?」
「はあ? 別に俺が、ひっく! しゃっくりになろうがおまえたちに関係ないだろ」
「だめだセイちゃん、全然わかってない。しゃっくりの恐ろしさをわかってない」
「何言ってんだ」
「しゃっくりっていうのはね、100回する間に止めないと死んじゃうんだぜ。な、コウ?」
「そうそう、すげー有名な話なんだからまさか知ってるよなあ? セイちゃんよ」
「……当然だろ」
「じゃあ早く止めなきゃ」
「言われなくても勝手に止ま、ひっく!」
「で、今ので何回目?」
「………ひっく!」
「やべえんじゃねえのか」
「そういえば、びっくりさせたら直るっていうよな」
「だな」
「おい、おまえら何考えてる」
「うわちょう心外。俺らセイちゃんの命を救おうとしてるだけじゃん」
「なんか違う魂胆が見え隠れして、ひっく!」
「ほら、あと少しで死んじゃうぜ?」
「やめろこっちに来るなひっく!」
「ひっく!」
「…おい、おまえそれしゃっくりか!」
「え? どうしたんですか、設楽先輩?」
「馬鹿か! しゃっくりは100回する間に止めないと死ぬんだぞ!」
「は?」
「とりあえず手始めに水を飲め。その方法にも何通りかあるから、止まるまですべて試すんだぞ!」
「いや、あの、せんぱ、ひっく!」
「ぐずぐずするな! 死にたいのか!」
「しゃっくりじゃ死にませんよ先輩!」
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久し振りにしゃっくりをしたらそんな妄想が駆け抜けた残念な結果である。
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