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イチジ九

すべからくどうしようもない日常のあれこれ。 ネタバレ盛り沢山ですので注意!

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琉夏小話

アンケリクエスト→お互い大好き過ぎる琉夏とバンビ

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 もぞり、と腕の中の彼女が身じろいだ。その気配で、琉夏は眠りの縁から目を覚ました。美奈子はさらにううんとちいさく呟くと、琉夏の腕の中で居心地の良い場所を探すようにもぞもぞと動く。先程と殆ど変わらないように見えるが、美奈子は納得したらしかった。ぴったりと琉夏にくっつくようにして、安定した寝息を再開させる。彼女の呼吸が胸元に掛かり、琉夏は今すぐにでも叫び出したい衝動に駆られた。腕の中の美奈子はすうすうと気持ちよく寝ているので実行に移すことができないのが救いだ。否、本当にやろうとしたら彼女自身によって全力で止められるだろうが。
(それにしたって)
 かわい過ぎて困る。
 いつだって美奈子はかわいいけれど、こういう不意打ちの仕草が琉夏にとってはたまらないのだ。安心してすべてを見せてくれることがうれしくて、いとしい。どうしよう、本当に好きだ。大好きだ。琉夏は好きと大好きとかわいいを何度も何度も胸中で繰り返す。そうして美奈子の寝顔を堪能していると、閉じていた瞼の縁が震えた。
「…るかくん?」
 うっすらと目を開けて、美奈子は起き抜けの舌ったらずな声で琉夏を呼ぶ。
「おはよ、でもまだ寝ててもいいよ」
 言いつつも、もうちょっとだけこうしてくっついていたいというのが本音だ。美奈子は「んー」と寝ぼけ眼を指先で擦りつつ、琉夏を見る。黒目がちの目と目が合うと、へらり、と美奈子がゆるく笑う。
「琉夏くん」
「なに?」
「すき」
「え?」
「だーいすき」
 いって、美奈子はぎゅーっと抱きついてくる。彼女のやわらかい髪が首筋をくすぐり、ついでにもっとやわらかい二つの膨らみが胸に押し当てられる。
 神様、これなんてサービスだ。
 琉夏は内心でのみ祈りを捧げるポーズをし、一先ず彼女の背中に腕を回して抱きしめ返した。邪な考えがすぐさま頭を擡げるけれど、いやいやと琉夏はそれを否定する。たまにはこんな風にただ抱き合うだけでもいいじゃないかと言い聞かせ、けれど三分後には覆されることになるのであった。

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